リーダーとなり、何かを成し遂げなくてはならないとき、
迷ったり困ったりすることがある。
孫子は、上に立つ者に必要な5つの条件を次のように説いている。
1.智
頭のはたらきであり、未来を予測しで判断する能力。
先を見る洞察力、先見力などのあらゆる知恵や知識である。
「智」は学ぶことによって、身につける必要がある。
リーダーは、より意識を高めて、知識を身につける努力をしたい。
2.信
信望、信頼であり、うそをつかず、約束を守ることである。
メンバーに信頼されないリーダーは、
メンバーを統率して、組織を1つにまとめることはできない。
ただし、環境変化に迅速に対応することは大切である。
判断を誤ったり状況が変わったら、判断を変えることも必要である。
ウソをついて判断を変えるのではなく、
信念を持って判断を変える、
これは、メンバーにもきっと理解されるはずだ。
3.仁
相手に対して思いやりの心をもって接することである。
ただし、メンバーに対して、いつも優しく接する、
というような表面的なことではない。
例えば、メンバーに対してならば、
将来のキャリア、家族、人生のことまで考えて、
人生が豊かになるための支援を惜しまないことである。
4.勇
戦うための勇気、決断力や実行力である。
リーダーは、リスクを恐れず、決断すべきときに決断し、
実行すべきときに実行する覚悟が必要である。
そうでなければ、いかに優れた知力をもっていても成功しない。
リーダーは、日々、判断を求められる。
決めることがリーダーの重要な仕事のひとつ。
責任を持って決めるようにしたい。
5.厳
リーダーは、やさしさ、思いやりだけではなく、
ときには厳しくメンバーを引っ張っていかなければならない。
真に強い組織をつくるためには、メンバーを導く厳しさが必要である。
厳しい側面を出すと、メンバーから嫌われることもある。
それを避けるために、メンバーに都合のよいことばかりしていてはいけない。
組織として成果を出すなら、リーダーは嫌われることもしなければならない。
仁と厳は、相反するもの。
このふたつのバランスを取ることが、組織を統率する鍵となる。
全てを備えている人は、あまりいないはず。
でも、今の自分に欠けているものが何かは分かる。
自分にはないところがあれば、意識して直していけば、
メンバーもその行動を見て、ついてきてくれるはずだ。
リーダーとして、自分を変える努力をすることが状況を変えるのである。