イントランスHRMソリューションズ株式会社 代表取締役社長
竹村 孝宏 Takahiro Takemura
中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。
略歴・資格
1958年 | 奈良市生まれ |
1982年 | 大阪市立大学商学部卒業 |
1982年 | 大手自動車部品メーカーに入社。企画、営業部門を経て、数々のプロジェクトを手掛け、プロジェクトマネージャーとしての経験を積む。その後、中国上海で、製品戦略・販売戦略の責任者として活躍。 |
1999年 | 中小企業診断士、産業カウンセラー資格を所得、企業向け能力開発研修、マーケティング、営業実践指導にあたる。産能短期大学専任講師を担当。実践的なコミュニケーション・トレーニングやコーチング、ロジカル・シンキング、プロジェクト・マネジメントの指導には定評がある。 |
2006年 | キャリアコンサルタント資格取得 |
2008年 | 豪ボンド大学経営大学院修士課程(MBA)修了。 |
2017年 | イントランスHRMソリューションズ株式会社にて、社員研修プログラムのサービス提供を開始。 |
これまでの経歴
大手自動車部品メーカーでの営業・プロジェクト経験:1982年~
私は、1982年大学卒業後、大手自動車部品メーカーに入社し、営業第一線および様々なプロジェクト活動に関わってきました。配属された営業企画部門から1989年に大阪支店へ異動、1992年より本社にて、新事業推進プロジェクトへ参画。1996年から東京支店にて、カーメーカー向け営業を担当しました。
自動車部品のビジネスは、新車やモデルチェンジに合わせて、2~4年がかりで新技術を提案して受注活動をします。厳しい競争に勝って受注が決まれば、次のモデルチェンジまで4~5の間、品質を維持しながら、納入・債権管理が継続します。
長期にわたる活動が必要であり、数億~数十億円の売上の大きなビジネスを取り扱うことになります。営業は技術、生産各部門を牽引するプロジェクトリーダーといった位置付けです。顧客であるカーメーカーにいかに貢献するかを前提に、市場環境を読み仮説検証を続け、ビジネス獲得のためにやるべきことを常に考えて実行する、という大変やりがいある経験を積むことができました。
プロジェクトマネジメントの経験が豊富であり、関連部署を横断的に取り纏めたプロジェクトリーダーとして実績を積んできました。
コンパクトカープロジェクトを発足:2006~08年
2006年より、営業、技術、製造、生産技術部門を横断する組織としてコンパクトカープロジェクトを発足し、プロジェクトリーダーを務めました。中国、インド、アセアン市場での需要拡大が見込まれる1.6L以下のコンパクトカーに合った低コスト製品企画作りから、カーメーカーへの提案活動までを網羅する全社プロジェクトを牽引しました。
市場で求められるニーズを分析し、社内での危機意識醸成から社内各事業部内での低コスト製品開発の優先順位を上げる活動を展開。インド、中国地域で受け入れられる機能・性能、品質基準の策定に取り組み、従来比▲25%のコストダウンの目途付けをおこないました。
新興国向け製品開発プロジェクトを牽引:2009~11年
新興国市場で戦うためには、これまでと発想を変えたコストダウンを実現しなければ、会社として生き残れないという危機感から、社長直轄プロジェクトである新興国向け製品開発プロジェクトが発足し、リーダーとして任命されました。中国、インド、ブラジル向け製品戦略、販売戦略を企画し推進しました。
コストダウン目標は▲40%。従来の発想の延長線での活動では達成困難でした。そのため、営業、技術、調達、製造、品質部門のクロスファンクションチームを結成し、まず市場で最も安い他社製品の価格、仕様を徹底的に分析。目標コストを実現するために、製品の機能、性能、構造を適正化し、品質基準も見直し、同時に安い部材の採用、作り方見直しを織り込むべく進めました。
その結果、従来比平均▲40%の低価格25製品の企画を完了し、中国市場へ投入、日系カーメーカーの中国専用車、中国メーカーへの拡販を実現することができたのです。
中国現地での中国最適製品企画を推進:2011~15年
2011年、本社で進めてきた製品開発プロジェクトを中国にて実施すべく、上海に赴任しました。プロジェクトリーダーとして、営業、技術、調達、製造、品管部門を横断するプロジェクトチームを結成し、①中国市場に合った新製品企画、②コスト競争力の抜本的強化、を進めました。
大気汚染が深刻な中国に合わせて、PM2.5を除去できる車室内空調システムなど、中国市場に合った製品の企画を完成、顧客への提案を進めています。
私は、これまで、営業第一線の経験と共に、大きなプロジェクトを担当する機会に恵まれ、多くの関連部署を取り纏めるプロジェクトリーダーとして実績を積むことができました。
中国でのマネジメント経験:2011~15年
中国に進出している日系企業の現状
私の勤務する会社では、日本から派遣される日本人出向者は、日本では担当者でも、現地会社では、課長、部長という管理職として部下を持つことになります。一般的に日系企業の海外拠点においては、日本から派遣される日本人出向者は、担当者での課長・部長という管理職として派遣される場合が少なくありません。
現地で、多くの部下を持ちマネジメント職を担当するにも関わらず、必要なスキルを学んでいないのです。現地に赴任すると、日常業務が多忙である上に、そもそも学ぶ機会がないために、自己流で四苦八苦している状況をたくさん見てきました。
現地では、日本で働くよりも職域が広くなり、兼務職も増えることから、より効率的に仕事を進めることができるスキル(コミュニケーション、アイデア発想、ロジカルシンキング)が不可欠だと感じます。若手社員が基本的なスキルを体系的に学ぶ機会があれば、仕事の効率が全く違うはずです。
海外に進出している日系企業の日本人に対するマネジネントスキル向上が必要であり、日本と同じレベルの研修を現地で受講できるようにする必要性を痛切に感じました。
ローカルマネージャー、スタッフの育成
ローカルマネージャー、スタッフの育成について、私は、中国拠点の営業企画部門の本部長として、営業部門の教育体系整備を進めました。その当時、現地会社は、拡大する中国ビジネスに向けた体制強化を急いでいました。そのために急激にローカル採用を拡大した結果、人材の育成が全く追いついていない状況でした。
課題は2つありました。
1つは、ローカルスタッフは、日本本社の理念、風土、価値観の共有できておらず、自身の業務にいかに結びつけて考えるか?それをどのようにフォローするか?の考え方ができていない、ということです。
2つ目は、現地化促進に向けた短期での中国人マネージャーの早期育成必要にもかかわらず教育体系ができていないということです。
そのため、人材育成における教育体系の構築に取り組みました。現地会社のローカルスタッフに日本の教育体系を持ち込んでも適応できず、中国人の特性、人生観、価値観を考慮した体系が必要です。さまざまな思考錯誤をしながら、ローカルスタッフとの対話を重ねてつくり上げることができました。
中国人マネージャーには、自社の理念・価値観を浸透させたり、マネジメントスキルを強化する必要があり、中国人スタッフのモチベーションをアップさせ、自主性を発揮させる現地に対応した人材育成戦略が必要であることを痛感しました。
研修講師としての社外経歴
中小企業診断士になる:1999年~
では次に、社外活動とのこれまでの経歴をお話しします。
1996年当時、私は、社内で新規事業開発プロジェクトに関わっていたとき、戦略策定、マーケティング等の基本スキルが、全く不足していることを痛感しており、関係する書物を読み漁って勉強を始めていました。そんな時、中小企業診断士という資格試験があるのを知り、どうせ勉強するなら資格試験にチャレンジしようと、一発奮起し、1999年に無事合格しました。
中小企業診断士資格を取ったことで、私の人生観、価値観が大きく変わりました。様々な勉強会に参加することで、独立開業している人、企業内で能力を発揮している人、独立を目指して頑張っている人、年齢、経歴の異なる様々な人たちと接することができ、大いに刺激を受けました。その中でも、私は、「人に教える」ことに興味を持ち、経験豊富な先輩諸氏にも恵まれ、勉強会を通じ、研修のノウハウを4年間徹底的に学ぶ機会を持つことができたのです。
教えることの難しさを痛感:2003年~
2003年からは、年100時間前後の研修、講演の機会をいただくことができました。研修の現場は毎回異なり、同じ現場は1つとしてありません。常に受講生との対話を心がけること、受講生の参画意欲を高めることの重要性を学びました。受講者が「わかった」というレベルは、まだ研修とは呼べず、「できる」レベルに到達するまで行うのが「研修」。また、学ぶプロセスで「精神面での成長」が見込めるものが「研修」だと思います。
特に、力を入れてきたのは、管理者研修やコミュニケーション・トレーニング、コーチング、ロジカルシンキング、プロジェクトマネジメント等です。
ジャンル | テーマ | 導入企業様 |
マネジメント | 新任管理者研修 | ケーヒン㈱ 三恵技研工業㈱ 光洋精工㈱ 経営創研㈱公開講座 |
ビジネスゲーム | ビジネスマネジメントゲーム | 栃木県産業振興センター 川崎産業振興財団 |
リーダーシップ | 成果を出せるリーダ育成 | 日本能率協会 |
チームプロジェクトのすすめ方 | 産能短期大学 | |
リーダーシップ強化 | 経営創研㈱公開講座 | |
チームモチベーション | 経営創研㈱公開講座 | |
ロジカルシンキング | クリティカルシンキング | 産能短期大学 |
ロジカルライティング | 三幸学園 | |
ロジカルシンキング | 大阪市交通局 | |
コミュニケーション | 成果に差がつく会議術 | 産能大学フォーラム |
ディベートのテクニック | 福知山市役所 | |
コーチング | 経営創研㈱公開講座 | |
プレゼンテーションスキル | 経営創研㈱公開講座 | |
アイデア発想 | アイデア発想法 | トステム㈱ |
知恵の出し方 | 狭山精密㈱ | |
事業アイデア発想法 | 雇用能力開発機構 | |
マーケティング | こうすれば売れる!マーケティング | 雇用能力開発機構 |
経営分析 | 数字で読む会社業績 | 産能短期大学 |
業界分析 | 自動車業界最新動向 | 中国電力㈱ |
創業支援 | 会社設立と資金調達 | 雇用能力開発機構 千葉県創業セミナー |
就業規則を変えて儲かる会社へ | 埼玉県産業振興公社 | |
商業店舗の資金繰り | 足立商業起業塾 | |
コンサルティング | 経営指導 | 株式会社右川ゴム製造所株式会社 吉崎メッキ化工所 |
商品開発コンサルティング | 酒井医療株式会社 |
初めての執筆:2005年~
2005年に、社員のモチベーションを高めるためのスキルを紹介する本を書いてみないかというお話を頂き、初めてまとまった書籍の執筆をする機会を得ました。短期間に、今までの自分のノウハウや経験をまとまった文章にする難しさ、厳しさを痛感しました。関係者の方々のご協力をいただき、「モチベーションマネジメント入門」として中経出版様より、無事に出版することができました。発売日に、東京の大きな書店へ行くと、自分の書いた本が平積みされているのを見たときは、本当にうれしかったです。
豪BOND大学MBAを取得:2006~08年
当初より、企業経営には興味があり、通学制のビジネススクールにも通いながら勉強を続けていました。もっと体系的に学びたい考え、MBAを受講することにしました。学校は、オンラインでの講義受講&ディスカッションと現地へのスタディツアーで学べる豪ボンド大学に決めました。2年半後、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)終了することができました。
一番大変だったのは、勉強時間の確保でした。会社の業務および研修業務も多忙だったので、平日は、毎朝4時30分に起きて出勤前に勉強時間を確保しました。さらに、通勤時間、出張の移動時間、会社の昼休みなど、隙間時間をすべて勉強にあてました。隙間時間を有効活用するために、勉強の優先順位付けをすることの重要性を痛感しました。
時間の感覚を研ぎ澄ますことができたこと、経営的な視点が鍛えられたことで、会社の仕事、研修講師としても大いにプラスになりました。日々のSKYPEを使ったグループワーク、オーストラリアへのスタディツアーで一緒に学んだ仲間は、とても心強い存在です。
産能短期大学での専任講師を担当:2007~10年
07年~11年までは、産能短期大学の専任講師として毎年3講座を担当させて頂くことができました。科目は、「チームプロジェクトのすすめ方」「クリティカルシンキング」「数字で読む会社業績」です。講義は土日曜で、毎週準備をして自由が丘に通うのは本当に大変でしたが、社会大学生の方々が休日に真剣に勉強されている姿に触れ、自分も闘志をかき立てられて続けることができました。
新たな船出:2016年~
2011年、勤務している会社より、中国に出向を命じられ、上海に赴任。一部の執筆業務を除き研修講師としての仕事は、一時中断しました。しかし、中国でのマネジメント経験は、ステップアップの良い機会でした。2016年初の帰任後、イントランスHRMソリューションズ株式会社を設立し、新たに研修事業をスタートしました。
私は、イントランスHRMソリューションズ株式会社の代表として、また社員研修のプロフェッショナルとして、お客様に質の高いサービスを提供していきます。そのために常に自己のレベルアップを心がけますので、どうぞよろしくお願いします。
イントランスHRMソリューションズ株式会社 代表取締役社長 竹村 孝宏
著書
日系自動車部品メーカー 脱「ケイレツ」経営
竹村孝宏(第5章 日経部品メーカーが進む道 寄稿)
日経BP社
日経部品メーカーが勝ち残るには、アジア連合を主導して真のグローバル化をめざすことである。自社の持つ強みやノウハウを磨き続け、中国系企業に常に一歩先の価値を提供し、彼らにとってなくてはならないパートナーになることを考えなければならない。
30代リーダーのための聞く技術・伝える技術
竹村孝宏、社員教育研究会
中経出版
挨拶、マナー、商談、会議、報告……ビジネスのシーンはすべて「コミュニケーション技術」を通してそのレベルを測り、向上を目指すことができる。その技術を体系化し、マネジャーが実践的に部下のレベルアップを図るための方法を豊富な実例とともに解説。
部下をやる気にさせるモチベーション・マネジメントの技術
竹村 孝宏、守屋 直人
中経出版
部下のモチベーションはどのようにして高めていけばよいか…具体的、実践的に示したのが本書です。モチベーションとは何か、どういう条件で発生し、向上していくのかというメカニズムについて解説。
部下をたちまちヤル気にさせるモチベーション・マネジメント入門
竹村 孝宏、守屋 直人
中経出版
すぐ実践できるモチベーション・アップのテクニックを豊富な実例とともに多数紹介。
上司と部下が今日から実践できるコミュニケーション手法も記載。効果が上がるコミュニケーションで、部下のヤル気を最大限に引き出す!
聴き上手・伝え上手
竹村 孝宏
日本監督士協会
職場のリーダーが必ず身につけておきたい「聴き方・話し方」、メンバーの潜在能力を発揮させ、モチベーションを高めるポイントを解説。リーダーがチームの力を結集し、職場の目標を達成するための指南書。
全社で使う!業績向上・業務改善戦略ツール200
竹村孝宏、経営創研株式会社
アーバンプロデュース
経営戦略、企画・商品開発、業績管理、生産管理、プロジェクト管理、購買・在庫管理、原価管理、営業・販売管理、組織・部下管理、報告書・業務管理帳票をまとめた課長、マネジャー、リーダー必須のツール