メンバーのやる気を高めるためには、「一緒に」という言葉を伝えるだけで効果がある。
職場での仕事、プロジェクトの多くは、チーム単位で取り組む。
本来、職場には仲間意識が溢れているはずだ。
仕事はチームで進める。
協働するメンバーと定期的に打合せをして、計画をたてたり、相談をする。
仕事の分担を決めた後、メンバー同士が並んで座って一緒に作業をやったり、メンバーと話しながら文章を入力することは以外に少ない。
我々は、チームの目標を決め、チームでミーティングを行い、チームの業績に基づいて評価される。
それにもかかわらず、仕事そのものを実際にチームでやることが非常に少ない。
メンバーは、仕事のほとんどを独りでおこなっているのである。
スタンフォード大学のカーとウォルトンの実験により、メンバーに1つのチームで働いている感覚を持たせるためには、「一緒に」と言うことが効果的であることが、明らかになった。
この実験では、被験者を「心理的に一緒」のグループと「心理的に孤立」した2つのグループに分けた。
グループ内のメンバーは個別に隔離してパスルを解く。
「心理的に一緒」のグループには、被験者に、常に「チームが一緒にやるタスク」だと声掛けをした。
「心理的に孤立」のグループには、一切何も告げなかった。
「心理的に一緒」の被験者は、「心理的に孤立」のグループより、長く作業し、正解数も多く、作業による疲れが少ないと答えた。
「一緒に」という言葉は、仲間意識を感じさせる報酬の働きをし、他者との関わりを脳に認知させる強力な手段であるといえる。
言葉にすることで、メンバーに、一人ではないと感じさせることで、やる気を高め、最高のパフォーマンスを引き出しやすくなる。
「一緒に」は、チームのパフォーマンスを高めるために、リーダーが日々実践できる、簡単で効果的な方法だ。