幹部候補として期待されていた優秀なリーダーが、
そのキャリアから外れてしまうことを、
「ディレールメント(レールを外れる)」という。
レールを外れた人は、「ディレーラー」と呼ばれる。
慢性的な人手不足で多忙な中、
仕事ができる人ほど、
「自分が何とかしなければ」との使命感にかられる。
とにかく業績を上げることに気をとられ、
自分のチームの状況に、気が回らなくなる。
仕事に自信のあるリーダーは、
メンバーの力を軽視しがちである。
任すことができずに、何でも自分でやろうとあせってしまう。
チームの実績を優先して、
人材の育成をおっくうがる傾向がある。
自分の意のままにならないと、部下に当たり散らしてしまう。
その結果、メンバーたちと衝突したり、
最悪の場合、チームが機能不全に陥ることさえある。
リーダーおよび管理者の役割は、
自分で何でもこなすことではない。
メンバーのモチベーションと能力を引き上げ、
チーム全体の総合力を高めて、維持することである。
リーダーは、この原点を忘れないようにする必要がある。
リーダーとして成功し、ディレーラーにならないためには、
自分の中に潜む、「強み」「弱み」を自覚する、
周囲からのフィードバックが得られる環境をつくる、
リーダーの役割について正しい自己認識をもつ、
が必要である。