メンバーの論理的思考を促すという意味で、図式化は有効な手段である。
コミュニケーションの目的は、送り手と受け手が共通の認識を持つことである。
情報は、伝え方について共通の認識と情報がないと正確に伝わらない。
言葉は、記号化された情報であり送り手・受け手により判断基準が違ってしまう。
映像や図形情報は基本的に万人共通で認識でき、一目で概要を伝えられる。
図で描くことは、論理的思考そのものである。
図式化の目的は、構成要素を関係付け、その位置関係をあらわすことにより、
物事を早くかつ概要的に理解できることである。
図式化をする際によく使われる基本的なフレームは以下である。
1.ロジックツリー
まず大きな概念を構成要素別に分解してみる。
その一つひとつをさらに細かく分解する。
このように要素を段階的に分解していくことでロジックツリーができる。
ロジックツリーを使って分解する際には、MECEであること、
すなわち「ヌケ・モレがなく、ダブりのない状態」に分解することがコツ。
2.ベン図
複数の集合の関係や、集合の範囲を視覚的に図式化する。
3.ピラミッド構造
分解した要素に、「上位概念」と「下位概念」といった階層の違いを表現したいとき
有効なのがこのピラミッド構造である。
4.表組み
この「表組み」による情報整理や比較分析の基本となる。
タテ軸とヨコ軸の組合せによるマトリックス分析によって、きめ細かな比較・分析が可能。
5.二次元マップ
表組みで様々な特性比較分析をしたあと、重要な2つの項目をピックアップして、マップに展開する。
マーケティングでは、「ポジショニングマップ」に用いられる。
6.四象限マトリクス
二次元マップをシンプル化し、タテ軸、ヨコ軸をそれぞれ2分割、全部で四つの象限に分類する。
異なる2つの視点を持って四分解すると、シンプルであり、かつ多面的な分析が可能となる。
有名なフレームワークとしては、アンゾフの「製品-市場マトリクス(成長マトリクス)」が該当する。
7.プロセスチャート
一本の時間軸をとり、その進行プロセスに着目して分解する。
代表的なチャートとしては、ビジネスの流れを時間軸で捉えた「バリューチェーン」がある。
8.フローチャート
流れ図または流れ作業図のこと。
各ステップを様々な形の箱で表し、それらの間を実線または矢印でつないで流れを表す。
「フローチャート」はきめ細かい業務フローなどを表すのに有効。
9.因果関係図
原因と結果の関係を明確にするためのチャート。
原因と結果は、必ずしも「1対1」の関係ではなく、複雑な構造を持っていることが多い。
そのため、全体を俯瞰するためにも、チャート表現が有効である。
この9つのチャートで、多くのメッセージを図解できる。
グラフも交えて、これらをどんどん使いこなしてみよう。