経営学者ピーター・F・ドラッカーは、
「真摯さ(integrity)」という言葉の重要性を説いた。
著書「現代の経営」の中で、ドラッカーは次のように語っている。
部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法など、ほとんどのことは許す。
しかし、真摯さの欠如だけは許さない。
そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さない。
ドラッガーの説く「真摯さ」とは、
「まじめで熱心」ということだけではない。
「正直、誠実、高潔、廉直」などの意味が込められている。
真摯さは、ある特定の人しか持っていない才能ではない。
人であれば、本来、誰もが持っているものである。
ビジネスパーソン、特に上位役職者にとって、
「真摯さ」は、とても重要なものである。
さらに、ドラッカーは、
真摯さに欠ける人の特徴を以下のように述べている。
・人の強みではなく、弱みばかりに目を向ける者
・何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心をもつ者
・頭の良さだけを重視する者
・有能な部下に恐れを感じる者
・自らの仕事に高い基準を設けない者
改めて、自分の今日1日の行動を振り返ってみよう。
真摯さを欠く行動をとっていなかっただろうか。
自分の仕事を確立して、管理者の立場になると、
自分の行動に対して、注意や指摘をしてくれる人が減ってくる。
たとえ注意されても、その場では返事はするものの、
素直に改善するという行動を起こさなくなってしまう。
すべてのことに真摯に向き合おう。
そうすれば、
今の自分にとって、何が必要なのかが見えてくるはずだ。