経営学の父、ピーター・F・ドラッカーは、
組織の中での意思決定には、次の二つの原則があると説いた。
【第一原則】
意思決定は、
可能な限り、低いレベル、現場レベル、行動に近いところで、
行う必要がある。
素早く行動に移すためには、
その行動を起こす本人が意思決定者であることが望ましい、
ということである。
【第ニ原則】
意思決定は、
意思決定によって影響を受ける活動全体を見通せるだけの
高いレベルで行う必要がある。
意思決定をするために必要な情報を持っている人が、
意思決定するのが望ましい、
ということである。
この2つは互いに相反するもの。
管理者は、普段、高いレベルから、現場の意思決定をおこなったり、
逆に、現場にいて、高いレベルの意思決定をしてしまいがちである。
ドラッカーは、こう述べている。
このトレードオフの中で、
問題の中身をよく見ながら、視点の高低を柔軟に変化させ、
なるべく行動に近い低いレベルで意思決定することが重要である…
カメラでいえば、
対象によって、ズームレンズで焦点距離を変えて、
最も理想的な状態で写せるポイントを探すイメージである。
対応する問題に合わせて、視点を変える必要がある。
そうすることで、期待される成果を生むことができる。