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意思決定の2つの原則

経営学の父、ピーター・F・ドラッカーは、
組織の中での意思決定には、次の二つの原則があると説いた。

【第一原則】

意思決定は、
可能な限り、低いレベル、現場レベル、行動に近いところで、
行う必要がある。

素早く行動に移すためには、
その行動を起こす本人が意思決定者であることが望ましい、

ということである。

【第ニ原則】

意思決定は、
意思決定によって影響を受ける活動全体を見通せるだけの
高いレベルで行う必要がある。

意思決定をするために必要な情報を持っている人が、
意思決定するのが望ましい、
ということである。

この2つは互いに相反するもの。

管理者は、普段、高いレベルから、現場の意思決定をおこなったり、
逆に、現場にいて、高いレベルの意思決定をしてしまいがちである。

ドラッカーは、こう述べている。

このトレードオフの中で、
問題の中身をよく見ながら、視点の高低を柔軟に変化させ、
なるべく行動に近い低いレベルで意思決定することが重要である…

カメラでいえば、
対象によって、ズームレンズで焦点距離を変えて、
最も理想的な状態で写せるポイントを探すイメージである。

対応する問題に合わせて、視点を変える必要がある。
そうすることで、期待される成果を生むことができる。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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