これまでの仕事のやり方や発想では通用しない、
激動の時代を迎えている。
組織全員で新しい取り組みにスイッチするのはリスクが高い。
正規軍とゲリラ部隊をつくり、環境変化に適応するのがよい。
これは、江戸幕府の鎖国政策のもとで、
西欧の文化や知識をもたらす唯一の窓口となった「出島」のイメージ。
また、双方の主力が真正面から衝突する戦いを正攻法とするなら、
少数の戦力で敵の意表をつくのがゲリラ戦である。
強い力を持つ大組織は、正攻法で臨み、
小さい組織は、「奇」をてらう戦い方をする。
孫子には、次のように述べられている。
凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ…
故に善く奇を出す者は、窮まりなきこと天地の如く、
つきざる江河の如し…
戦闘は、正攻法で戦うだけでなく、
状況に応じて敵の意表を突く変則戦法で勝利を収める、
この奇襲をうまく使う軍隊は、いつまでも衰えることはない、
という意味である。
セオリー通りの正攻法ばかりで戦っていては、
敵に手の内を読まれてしまう。
孫子では、組織形態の理想形を「無形」と定めている。
無形とは、状況の変化に応じて柔軟に変化させる、という意味である。
状況に応じて柔軟に変化できるのが、「ゲリラ部隊」であり、
ゲリラ戦という「奇」をてらう戦い方ができる。