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部下を動かすために必要な上司の準備

管理者は、多くのメンバーをうまく動かすことで、

1人では達成できない大きな成果が求められる。

ルーチンワークや単純作業は別として、
メンバーが動いてくれなければ、
大きな仕事や新しい仕事を遂行することは難しい。

従来と異なる新しい仕事になればなるほど、
自律的に考えて動けるメンバーの存在が必要不可欠となる。

 

かつて優秀なプレーヤーだった管理者ほど、
メンバーが動かないなら、自分が直接その仕事やればいい、
と考えてしまう。

でも実は、メンバーが動いてくれない原因は管理者自身にある。

部下に、やるべきことを十分説明せずに、
「うちの部下はろくに動いてくれない」
と嘆いている上司が多い。

たった一度の説明で、部下に動いてもらおうと考えるのは間違い。

「上司」という権限だけに頼っているうちは、
部下は、上司の言葉に耳を傾けてはくれない。
思うように動いてくれるはずもない。

「この上司の言うことは、しっかりとやろう」
と部下から思ってもらえるように、上司が努力することも必要である。

部下を動かすために有効な仕掛けを2つ紹介する。

1、目指す姿と目指す理由の見える化

職場全員で目指す姿(目標)をはっきりと示す。
なぜそれを目指すべきなのか、という理由もしっかりと説明する。

その上で、
その目標を達成した場合に得られるメリット、
それを達成できなかった場合のマイナス面、
も併せて部下に話す。

メリットとは、
目標を達成した際に、
会社全体の成果だけではなく、部下自身にどれくらい見返りがあるか、
ということである。

頑張ったら頑張った分だけ、その甲斐があることを示せれば、
部下のやる気を引き出すことができる。

この仕事は確かに大変だが、
限られた期間の負担さえ乗り越えれば、大きなメリットが得られる、
という理解を促すことが大切である。

2.目標達成に対する上司の「思い」を伝え続ける

上司として、どれくらいこの目標にこだわっているかを
何度も何度も、部下の前で語り続ける。

「一貫した志」を、しっかり持っていることを周囲に示すのである。

ここまでやってはじめて、
ようやく部下は、
上司の思いをうっすらと理解してくれるようになるのである。

部下を動かすために必要なのは、肩書きだけではない。
上司が気を配って、準備をしっかりしなければならないのである。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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