プレ・パフォーマンス・ルーティーンとは、パフォーマンスの前に行うルーティーン。
ルーティンとは、一連の決められた手順のことである。
ラグビーの五郎丸選手のプレ・パフォーマンス・ルーティンは、
以下のように紹介されている。
1.ボールを2度回転させてボールをセットする。
2.手を合わせボールが飛んで行くことを手でイメージする。
3.後ろに3歩下がる。
4.左に2歩。
5.助走は8歩でボールを蹴りぬく。
五郎丸選手が実力を発揮するためのテクニックとして、
このプレ・パフォーマンス・ルーティンが大きく貢献した。
大きな試合の大事な場面でキックするとき、
不安・心配・迷いなどのマイナス思考が生まれる。
呼吸が早く短くなる。
心臓がドキドキして心拍数が高まる。
すると、筋肉の動きに微妙な変化を及ぼし、いつもできていることができなくなり、
ミスをしてしまう。
プレ・パフォーマンス・ルーティンにより、キック前の行動をパターン化することで、
ひとつのリズムが生まれる。
練習のときから何度も繰り返すことで、目的の行動であるキックをスムーズに行える。
手順を踏むことで、周りの呼吸やリズムに意識を集中できる。
動作に集中することで、頭の中に浮かんでくる不安・マイナス思考を取り除くことができる。
そうすると、呼吸も心理状態も安定するので、平常心を保つことができる。
気持ちを平常に保てれば、いつもどおりのキックができるのだ。
プレ・パフォーマンス・ルーティンは試合の大事な場面だけやっても効果がない。
五郎丸選手が成功したのも、
キック練習を毎日積み重ねたきたことがベースにある。
その上で、決めたルーティーンを練習や試合に関わらず必ず行ってきたからである。
一流のスポーツ選手たちが取り入れているプレ・パフォーマンス・ルーティーンは、
スポーツだけでなく仕事など日常にも生かすことのできる理論だ。