指示したことに関しては、ちゃんと及第点のアウトプットを出すが、
指示や命令をしないと全く行動を起こさないメンバーがいる。
自分で考えて、自分で行動を起こす自律的な行動がとれず、
受け身になってしまう原因は、何なのだろうか。
自分から行動して、自分の責任にされたくない…
でしゃばることで、波風を立てたくない…
自分がやらなくても、できる人に任せておけばいい…
などの理由が考えられる。
こうしたメンバーには、
行動をうながす言葉をかけても響かない場合が多い。
言葉としては伝わるが、
行動を変えさせることにはつながらない。
ではどうすればよいのだろうか。
2つのアプローチがある。
1.自律的に動く動機づけをする
受け身に慣れてしまっているメンバーを自律的に動かすためには、
新たなエネルギーが必要である。
すなわち、自律的に動くための動機付けである。
例えば、
〇〇さんは、本当はどんな仕事がやりたいの…
5年後の自分は、どのようになっていたい?…
などの問いかけをすることで、
メンバーの行動変容をオンにする「やる気スイッチ」を探す。
人は本来、
自分がやりたいことに対して最もエネルギーが発揮できるもの。
本人が本当にやりたいことがわかれば、
それに近い業務やスキルが活かせるタスクを与える。
もしくは、アサインしようとしている業務が、
やりたいことにどう役立つかをていねいに説明する。
そうすれば、メンバーの動きが自律的になってくる。
2.仕事の全体像を示す
「△△をいつまでにやっておいて」
という指示の仕方ではなく、
業務の目的、背景、前後工程などの全体感を説明した上で、
仕事を与えるようにしたい。
目的、背景、前後工程を知ることで、
誰でも見やすいマトリクス表で表現しよう…
誤解を与えないようにバックデータを用意しておこう…
など、自分で仕事への取り組み方を工夫することができる。
このような小さな工夫や配慮を積み重ねることが、
メンバーの自律的な行動の第一歩につながるのである。