オウム返しとは、傾聴技法の1つで、相手の言葉を「繰り返す」ことである。
繰り返し技法には、
「そのまま繰り返す」方法、
「要約して繰り返す」方法、
がある。
「そのまま繰り返す」は、相手の話の語尾やキーワードをそのまま繰り返すもの。
課長 「どうした?」
A君 「最近、どうもやる気が出ないんです」
課長 「やる気が出ないんだね」
A君 「いまやっている仕事が、本当に自分がやりたいことなのか?と思うんです」
課長 「本当に自分のやりたいことなのかと思うんだ。そういうことってあるね」
A君 「本当はもっと前向きに仕事をしたいと思うんですけどね」
課長 「そうか、もっと前向きに仕事がしたいんだね」
話の語尾やキーワードを繰り返すことで、話の内容を確認する。
そうすると相手は、「ちゃんと話を聞いてくれている」「自分をわかってくれている」と感じる。
また、言葉による相づちとなり、会話にリズムが生まれて、話しやすい雰囲気になる。
「楽しい」
「うれしい」
「悲しい」
「つらい」など
感情言葉を繰り返すと効果的である。
また、「要約して繰り返す」方法もある。
相手の話を要約して確認する。
課長 「どうした?」
A君 「最近、どうもやる気が出ないんです。
いまやっている仕事が、本当に自分がやりたいことなのか?と思うんです。
本当はもっと前向きに仕事をしたいと思うんですけどね」
課長 「なるほど、もっと前向きに仕事がしたいのに、なかなか思い通りにできないんだね」
A君 「そうなんです。それから……」
相手の話の内容を要約してみる。
「なるほど、〇〇〇なんだね」
「つまり、〇〇〇ということだね」
相手の話を要約するためには、
「この人は何を言いたいのだろう」
と、相手に意識を集中する必要がある。
相手の話をよく聞くことに繋がる。
要約して繰り返すことによって、相手も自分の話を整理できる。
「ちゃんと聞いてくれている」と安心できる。
さらに、「それから……」と、次の話を引き出すきっかけにもなる。