日本語の「てにをは」は、思っている以上に難しく、
使い方次第で、相手に与える印象も大きく異なる。
A:「この案で良い。すぐに取り掛かろう」
B:「この案が良い。すぐに取り掛かろう」
リーダーからメンバーに対して、
このような会話は、日常的に行われているはずである。
言っている内容は、ほぼ同じ。
でも、相手に与える印象は180度異なる。
Aの「この案で良い」という表現では、
十分に満足はしていないけれど妥協して選んだ、
というニュアンスを与えてしまう。
メンバーは、妥協して選んでもらったように感じて素直に喜べない。
Bの「この案が良い」と言えば、
是非採用したいという前向きな気持ち、
をメンバーに伝えることができる。
メンバーの立場に立てば、
リーダーは満足してこの案を採用してくれた、
そうならばその気持ちに応えなければ、
と思える。
たった一字の違いでも、
与える印象が大きく違ってくることがある。
次に「取り掛かろう」と言う前に、
その内容について言及してほめるのがよい。
ほめるときには、具体的であることが大切である。
以下を比べてみてほしい。
A:「この案が良い。着眼点が面白かった。すぐに取り掛かろう」
B:「この案が良い。着眼点が特に面白かった。この視点での着想は、
斬新でありトレンドにもマッチしている。すぐに取り掛かろう」
Bのように、
「なぜ良いのか」具体性を持たせて言葉を掛ければ、
よりメンバーのやる気はアップする。
具体的な努力の過程に焦点を当てて声掛けをしたい。
ちょっとした言葉遣いに気を配ることで、
相手に与える印象は全く違ってくるのである。