多くの人が、
嫌われたくない…
迷惑をかけたくない…
と、自分より他人を優先してしまうことが多い。
ラビング・プレゼンスの考え方によれば、
人間関係は、まず自分自身が「心地良さ」を感じる、
ことからスタートすることが良いとされる。
相手に目を向けることから、
自分自身へ目を向けるように転換するのである。
ラビング・プレゼンスとは、
ハコミセラピーという心理療法で実践されている考え方である。
ハコミセラピーとは、
自分の内面に目を向けて、心と身体のつながりを丁寧に扱っていくこと。
自分自身が心地良さを感じるという意味は、
相手に対してごう慢な態度をとる…
相手の話を聞かなくてもよい…
ということではない。
自分の心地良さを追求していくことであり、
自分も相手も楽にコミュニケーションが取れるようにすることである。
相手の気持ちを優先して、自分が脇役になるのではない。
自分が満たされて満足することで、相手にも良い影響を与え、
相手も変化することで、良いスパイラルが起こる、
ということである。
この手法を用いれば、嫌いな人を嫌いなままでも楽に付き合える。
ある女性社員は、上司との折り合いが悪かった。
彼女は、「上司が嫌い」という事実を自分では認めず、
なんとか上手くやらなければと考えていた。
そして、上手くコミュニケーションが取れない自分を責めていた。
ラビング・プレゼンスの考え方を知った後、
彼女は、自分がいかに上司によって理不尽な扱いを受けたか、
を受け入れて、「上司を嫌うこと」を自分に許した。
すると「上司を嫌う自分を認めてあげる」という心地良さが生まれ、
「嫌い」と「心地良い」が共存できるようになった。
さらに、彼女は他の社員からも心地良さを感じる努力をして、
自分を良い状態に置いて、苦手な上司と話をするようにした。
彼女は、以前のように身構えることなく、
上司と会話することができるようになったという。
まずは、自分自身を「心地良さ」で満たして良い状況に置くこと。
そうすれば、苦手な相手を苦手に感じたままでも、
うまくコミュニケーションを取ることができる。