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言葉を選ぶセンスを鍛える

言いたいことがあるのだが、大事な場面で適切な言葉がすっと出てこない。
必要な場面で、インパクトがある言葉をパッと言いたい。

このように感じたことはないだろうか。

適切な言葉を選ぶことができるスキルを「言語選択力」という。
「言語選択力」は、どの職種においても、非常に大切なスキルである。

初対面の人と会話をしたとき、
少ししか話していないのに、話した内容が頭に残る人と、
長時間話したにも関わらず、話の内容が頭に残らない人がいる。

もちろん、そのときの環境、雰囲気など様々な要因があるだろう。
でも、言葉の選び方というのは、その中でも大きな影響を与えている。

言語選択能力が高い人は、聞かれたことに対して、
インパクトがあり、的確でイメージしやすい言葉を発する。
それに触発されて、相手側の頭の中のイメージがより具体化され、
相手からも、さらに新しい言葉が引き出される。

すなわち高い次元のコミュニケーション・キャッチボールができるのだ。

では、言語選択力を鍛えるためには、どうすればよいだろうか。

短時間で何かを相手に伝えなければならない環境下に置かれている人は、
おのずと、言葉の選択に関して知恵を絞るようになる。

逆に、時間的な制約がなく、
言葉で伝わらなくとも人間関係によって伝わる、
というような環境下に長くいる人は、
言葉に対する感受性が徐々に落ちていく。

言語選択力をつけるためには、「時間の制約をかける」訓練をすればよい。

例えば、いつも1時間続く会議において、結論を10分で出すように指示する。

そのような環境に置かれた参加者は、知恵を絞る。

決められた時間でどのように決めるか、
この会議を仕切るには誰が最適か、

といった点にも意識を向けるようになる。

こうした訓練を繰り返せば、今までよりも短い時間で決断を下せるようになる。

本来10分で答えを出すことは、無理な話かもしれない。

しかし10分でベストの答えを出すためには、
何を考えるべきなのかという点に意識が向くことが大切だ。

話す言葉にも無駄が無くなる。
知恵を絞って、
適切な言葉と内容を取捨選択するようになる。

時間的な制約をかけることで、
言葉に対するセンスが磨かれ、言語選択力が鍛えられるのだ。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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