どうすればよいのだろうか。
変化に適応した組織をつくるには、「学習能力」が必要である。
組織の学習能力が、持続可能な競争優位や価値創造の源泉となる。
学習する組織とは、
目的に向けて効果的に行動するために、
集団としての意識と能力を継続的に高めて伸ばし続ける組織である。
ピーター・センゲ博士は、著書「学習する組織」で、
学習する組織をつくるためには、3つの力と5つの構成要素を、
と説いている。
1.志を育成する力
組織の目的や目的地を明らかにするための必要なものであり、
●自己マスタリー:
自らのありたい姿を描き、その実現に向けて研鑽を続けることである。
●共有ビジョン:
組織のメンバーが共有して描く未来への憧憬である。
組織で「共有ビジョン」をつくることで、
内発的動機にあふれた集団をつくり出すのである。
2.複雑性を理解する力
直面している複雑な現実がどうなっているか…
どうすればもっと効果的に進めるのか…
といったことを理解する力である。
●システム思考
現実に起こっていることを俯瞰して大局をとらえ、
物事のつながりや全体像を見える化する。
本質を理解して、問題解決や未来創造を目指す。
3.共創的に対話する力
相手の意見を相手の立場になって聴きつつ探求を深め、
自分の内面を見つめて自己を知り、効果的にチーム学習ができる力である。
●メンタル・モデル
個人、チームに存在している無意識の前提(メンタル・モデル)を振り返り、
意識しながら共に前向き、創造的に考える。
●チーム学習
グループで一緒に探求、考察、内省を行うことで、
自分達の意識と能力を共同で高めることである。
この3つの力をバランスよく伸ばすことで成果を出そうとするのが、
「学習する組織」の基本的な考え方である。