今の顧客ニーズがどこにあるかは、
市場調査をすることによって、ある程度知ることができる。
しかし、それをベースに技術開発をしても、成功するとは限らない。
調査結果は、あくまで現時点のニーズを示したもの。
未来のニーズを保証するものではない。
技術開発に必要なのは、今のニーズを知ることではない。
トレンドを読み、いまだ顕在化していないニーズの芽を発見することである。
現時点ではなく、将来の顧客ニーズを見越したものでなければならない。
テクノロジー・ロードマップにも、同じ要件が求められる。
従来のテクノロジー・ロードマップは、「技術起点」であることが多い。
本来あるべき「テクノロジー・ロードマップ」は、「顧客ニーズ起点」である。
未来の顧客ニーズを予測し、これをもとに将来出現する商品を予測し、
そこで実現されているであろう機能や性能について推定する。
さらに、その機能や性能を実現するために必要な技術を割り出す。
割り出した技術をプロットしていくことで、技術進化の道筋を描いていくのだ。
現在、存在しない将来のニーズを予測するときには、
「それが、本当に正しいのか?」
ということを過度に追求しないことが重要である。
なぜなら、「それが正しいかどうか?」は、誰もわからない。
後になってからしかわからないからだ。
「それは正しいのか?」
と問いかけてばかりいたら、先のことは何もできない。