多様な人材を受け入れ、個人と組織の価値を引き上げるためには、ダイバーシティとインクルージョンの両方を推進する必要がある。
ダイバーシティは、
人々の違いや差を認識して多様な人材を積極的に活用しよう、
という考え方である。
さまざまな人材を受け入れるための雇用環境やポストの用意、
働き方改革などの環境整備が必要となる。
インクルージョンとは、
一人ひとりの能力や経験、スキルを尊重してアイデアをまとめ、
多様性とは違った一体感を作り出して、
各個人のパフォーマンスを引き出すことを目的としている。
個性を活かして積極的に組織に参加できる機会や
社風の創出、マネジメント体制の構築が必要となる。
マネージャーは、ダイバーシティ経営を実現するために、
インクルージョンのスキルも身につけなければならない。
そのためには、以下の2つの要素に注目して、
多様なメンバーが持つ「強み」を明らかにする必要がある。
1.コンピテンシーやリテラシーなどの基礎力
コンピテンシーは、
業績をあげるプロセスで発揮される習慣化された行動特性である。
リテラシーとは、
読み書きができる能力や、その分野で理解し活用する力である。
2.専門的な知識や技術などの専門力
専門力とは、
それぞれの職務を遂行する上で必要となる知識や技術のことである。
組織を構成する一人ひとりの「強み」を明確にして言語化し、
組織内において共通認識としていく取り組みが必要となる。