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メンバーを育てる仕事の仕組みづくり

リーダーにとっては当たり前のことがメンバーにはできない。

そんなとき、

なぜこんな簡単なことができないんだ…

と責めてはいけない。

リーダーには何年もの蓄積や経験があるが、メンバーにはまだない。

それなのに同じことを求めてもできるはずがない。

メンバーを放置しておいて、結果だけ求めてはいけない。

逆にメンバーに手取り足取り教えればいいというわけではない。

口の出し過ぎは、メンバーの主体性とやる気を奪ってしまう。

放置でもなく過度に干渉するわけでもなく、

部下に主体性を持たせながら、仕事の結果を出せるようにするには、

「仕事の仕組み」をつくることが必要である。

仕組みには、

「行動管理の仕組み」と「行動をバックアップする仕組み」がある。

1.行動管理の仕組み

目標やゴールを達成するための具体的な指標を設定することである。

例えば、KPI(Key Performance Indicator)を定めることが仕組みづくりの第一歩。

営業部門なら、

売上目標を達成するために1日3件訪問する…

月5件具体的な商談に持ち込む…

などの目標設定である。

こうした指標を明確な目標として定め、定期的に測定をすることで、

どうすれば目標が達成できるのかという道筋を示す。

このときに、達成度を確認する頻度も決めておくことが必要である。

2.行動をバックアップする仕組み

指標が決まれば、目標を達成するためのバックアップツールを用意する。

例えば、営業部門なら、

新規顧客リスト、企画書・提案書の雛形、ヒアリングシートなど。

仕組みを作る際に注意したいのは作りすぎないことである。

KPI やバックアップツールが多すぎたり細かすぎたりすると、

メンバーは、自分の頭で考えなくなってしまう。

仕組み化による手本の例示とメンバーの主体性のバランスをどう取るのかは、

リーダーの腕の見せ所である。

3.仕組みの見える化

仕組みをつくったら、見える化することが必要である。

例えば、

今月の訪問件数をグラフにして、大きな紙で貼り出せば、

リーダーがいちいち部下に状況を聞かなくてもいい。

メンバーに細かく口出しする回数が減り、部下の主体性を奪うことがない。

見える化のポイントは、

パッと見てわかるように示す…

そこから会話が生まれる工夫する…

グラフを一目見ただけで現在の状況と今後何をすべきかがわかる。

それを話題にして、メンバー同志が会話する環境をつくることが大切。 

仕組みをつくることは、面倒なことではあるが、

チームのパフォーマンスを確実に底上げできる方法である。

そして現場をよく知っているリーダーにしかできないことでもある。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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