働き方改革とは、
個人の生産性向上やテレワーク、有給休暇取得向上を指すのではない。
経営者に「ビジネスモデルの変革」を迫るものである。
高度成長期の働き手がたくさんいて、
人材に困らず長い労働時間を前提としたビジネスモデルを改める、
時間という資源に着目してサービス残業の全廃、労働時間を把握する、
人材という資源に着目して人材を失わないために多様な働き方を実施する、
「残業させない」「有給の取得率をあげる」などの
一律的なルールの変更だけでは本当の意味での「働き方改革」といえない。
見せかけの労働時間規制だけでは次のような問題が起こる。
ノー残業デーは早く退社するが、結局仕事を家に持ち帰る…
若手は素直に定時で帰るが、その分管理職がオーバーワーク…
無駄な業務をカットして、自分の仕事のみをやるだけ…
新規案件に取り組まなくなり、イノベーションが起きない…
生産性をあげて短期間で結果を出したのに、給料が変わらない…
そもそも、働き方改革を担うのは誰だろうか?
経営者、管理者、現場社員…
当然、全員である。
全員が働き方改革における自分の役割を担っていくことが必要である。
経営者 :ビジネスモデルや制度を改めて生産性向上のための投資を決断する。
管理職 :リソースの適正配分や業務設計を行って適正な評価をする。
現場社員:生産性向上を第一に考えてムダを徹底的に取り除き、
抱えている仕事の状況やデータをオープンにして共有する。
まずアクションチェンジをして、マインドセットの順で進める。
仕組みや制度、評価などの改革をベースとして、
進捗の見える化を怠らずトップが絶えず発信することでマインドセットが起きる。
働き方改革とは、働き手が受ける恩恵を意味するものではない。
雇用される側、雇用する側の両者が
企業という一つの枠組みを通して社会変革に参加することであるといえる。
一人ひとりが参画意識を持ち、
働き方改革について考えて行動する必要がある。