企業の持続的成長に必要なことの1つに、ダイバーシティがある。
ダイバーシティとは、
異質や多様性を受け入れ、その違いを認めて活かしていくことである。
そうすることで、同質だけでは実現することが難しい労働力の確保や、
従業員の働きがいの向上、新たな発想や価値の創造などが実現できる。
とはいえ、単に多様な人材を集めただけでは、現場では混乱が生じるだけ。
多様性を活かすためのマネジメントが不可欠だ。
ダイバーシティ・マネジメントのポイントは、以下の通り。
1.トップからの明確なメッセージ
トップ自らが、
「ダイバーシティを積極的に受け入れて活用していく」
というメッセージを社内外に発信する。
2.「価値観」で統合を図る
行動のベースとなる「価値観」を定め、社員全員が共有する。
各々の違いは、十分に認めながらも、
組織として、上位の「価値観」で統合をはかる。
3.コミュニケーションと意思決定の仕組みづくり
お互いの違いを知り、理解・共感し、
意見が言えるコミュニケーション環境を整える。
少数意見が無視されたり、排除されない意思決定の仕組みづくりである。
4.混乱や衝突に対応できる仕組みづくり
衝突、混乱が起きた際に、的確に対応できる仕組みをつくって運用する。
ベクトルを合わせて、
「皆のゴールは共通」という組織風土を醸成するアプローチが必要。
5.ダイバーシティを「評価項目」に入れる
ダイバーシティを組織風土へと取り組むため、
ダイバーシティに関する事項を、「評価項目」に入れる。
コンピテンシーのひとつにダイバーシティの推進や貢献という項目を設けて、
採用から評価、報酬、昇進まで一貫して反映していく。
6.ミドルマネジメントの重要性
一人ひとりの違いをみるためには、
個別性や特異性、各々の置かれた状況を、つねに意識し、
理解を示すマネジメントが大切である。
傾聴やコーチング、カウンセリングのマインドやスキルを持った、
ミドルマネジャーの育成が不可欠である。
7.「キャリアパス」を示す
さまざまな立場の人たちが活きる「キャリアパス」を確立して示す。
周囲の変化に対応していくには、多種多様な人材を取り入れる。
他の企業と積極的に交流する。
企業が成長するためには、
これまでにないDNAを会社に取り入れていくことが非常に重要だ。
多様性が生む「摩擦」こそが、変化に対応する力を生む。
守りに入るのではなく、新しいものを取り入れる勇気が大切である。