営業現場のマネージャーが、適切な目標を与えることができれば、
成果を挙げながら、メンバーのモチベーション向上にもつながる。
営業の目標設定には、2つの方法がある。
1.「受注数」の目標
何件獲得したか…
受注金額はいくらか…
受注率は何パーセントか…
など、受注に関する数字を目標として現場をマネジメントをする。
「行動数」は、
訪問件数…
架電数…
など、受注に至るまでの行動の件数を目標に設定して現場をみる。
どちらもマネジメントする上で重要な基準となる数値である。
この2つの目標の設定のやり方が、現場の動きに大きく影響する。
「受注数」と「行動数」をどちらも目標設定してしまうと、
現場のメンバーの混乱を招いてしまう。
なぜなら、基準が異なる2つの目標を同時に定めることで、
現場はどちらに重きを置けばいいのかが分からなくなり、
メンバーの行動軸が不安定になってしまうからである。
マネージャーから見た管理のしやすさと、
現場の営業部隊の動きやすさは、同じとは限らない。
営業部隊に適切な目標を与えることができなければ、
メンバーの不満は大きくなり、受注数も行動数も上がらなくなってしまう。
「受注数」と「行動数」の基準を満たすようにマネジメントするには、
2つを効果的に組み合わせた目標を掲げる必要がある。
例えば、
各メンバーの行動数を把握しながら受注数も追っていきたい場合、
数字を1つの軸としながら、受注のための行動を設定して管理するのがよい。
すなわち、「訪問数」という行動数を1つの目標数値として、
ヒアリング項目やクロージングなど、訪問時にやるべき具体的行動を設定する。
実働メンバーは数値目標が「訪問数」なので、その目標達成のために動く。
訪問した際に「やらなければならないこと」が定められているため、
「受注数」を伸ばすための行動をとることもできる。
マネージャーは、行動の質もコントロールすることができる。
このように、
1つの数字目標とそのためにやるべき具体的行動を設定することで、
2つの基準を追うことが可能になるのである。
このような方法をとれば、
アポイント取得から受注までの成功サイクルがつくりやすくなる。
メンバーが訪問を重ねて、その結果から得た情報を集約することで、
いくつかの成功パターンを導き出すことができる。
そのパターンを定着させることによって
アポイント◯件→訪問◯件→見積り提出◯件→受注◯件
という効率的なサイクルをつくることができる。
マネージャーの目標設定のやり方によって、営業部隊の成果は大きく変わる。
無理のない目標を設定して、売上を伸ばせるサイクルづくりを目指そう。