アメリカの心理学者スティンザーは、
30年かけて、小グループでの会議の様子を観察した結果、
座る位置によって発言の内容や関係性が変わることを提唱した。
この現象は、「スティンザー効果」と呼ばれ、
主に会議に見られる自分との関係性が座る位置に現れるというものである。
1.あなたの真正面に座る人
反対意見を持つ人や対立関係にある人が正面に座りやすい。
視線を合わせて話すことを強制されていると感じると、
対立や敵対しやすくなる傾向がある。
2.あなたの横に並んで座る人
親密な関係を構築しやすいといわれる位置。
あなたの味方になってくれる可能性が高い人である。
3.あなたの斜めに座る人
意見の衝突が起こりにくく、親しい関係を期待できる。
緊張が少なく、「カウセリングポジション」と呼ばれる位置である。
例えば、会議をする場合、 自分の意見と相反する意見を持つ人を、
あらかじめ正面に座らせないようにしておくことも有効である。
あなたの意見に賛成してくれる人がいるなら、自分の正面に座ってもらい、
反対者が入る余地をなくしてしまうということもできる。
スティンガーは、会議で観察される興味深い現象として以下を挙げている。
1.以前口論になったことがある相手が会議に参加したときは、その相手の正面に座ることが多い。
2.あるひとつのメンバーの発言が終わったとき次に発言する人はその意見の賛成者ではなく反対者であることが多い。
3.参加者の私語に注目すると、
リーダーシップが強いときは、隣り合う人どうしで私語が交わされ、リーダーシップが弱いときは、正面に座っている人どうしで私語が交わされる。
例えば、 あなたが意見を言ったとき、次の人物は反対意見を言ってくる可能性が高い。
そうであれば、事前に根回しをしておいて、
あなたが意見を言った後には、
すぐさま仲間に賛成意見を言わせるようにしておくとよい。
また、あなたと同じ意見を誰かが発言した場合、
あなたが他の人が反対意見を言う前に賛成意見を言った方がよい。
スティンザー効果は、
日常の会議でのテクニックとして活用できるものである。