バランス理論とは、オーストリアの心理学者フリッツ・ハイダーが提唱した、
好き・嫌いの関係について、バランスを保とうとする心の動きを表わす理論です。
人は、
A、B、Cの三者のプラスとマイナスがバランスのとれた状態を好む、
バランスが取れていない場合には、それを修正しようとする意識が働く、
というものです。
バランスがとれた状態とは、三者の関係の掛け算が「プラス」になっているとき。
例えば、次の場合、
A:私はBさんが好き(プラスの感情)
B:Bさんはイヌが好き(プラスの感情)
C:私はイヌが好き(プラスの感情)
A、B、Cそれぞれプラスの感情のため、掛け算の結果もプラスとなり、
バランスが取れた状態となります。
バランスが取れていない場合は、
A:私はBさんが好き(プラスの感情)
B:Bさんはイヌが好き(プラスの感情)
C:私はイヌが嫌い(マイナスの感情)
A、B、Cの掛け算の結果はマイナスで、バランスの取れていない状態です。
こういった状況になると、
私がBさんを嫌いになる…
私がイヌを好きになる…
ことで、バランスを取ろうとする意識が働きます。
バランス理論で考えると、
テレビのCMで好感度の高いタレントを使う理由も説明できます。
好きなタレントが、ある商品を愛用していると、
バランスを取って、自分もその商品を好きだと感じるのです。
人はバランスが取れてない状態を嫌い、
バランスが取れている状態を好む傾向にあります。
例えば、相手を説得するときは共通の知人の名前を出して、
「〇〇さんも気に入っていたよ」
と言えば、〇〇さんが好きな相手は、
「Aさんが気にいっているのなら…」
とバランスを取ろうとする傾向があるのです。
相手との関係性をしっかり把握したうえで、ぜひ活用してみてください。