ファシリテーション(facilitation)とは、
人々の活動が容易にできるよう支援して舵取りすることである。
ビジネスシーン、地域や学校などあらゆる場所で、
さまざまな知識創造活動を支援し、促進していくことができる。
ファシリテーションのために動く中心的な人がファシリテーター。
会議などの予定をまとめて段取りをとる役割と、
参加メンバー一人ひとりの考えを汲み取りながら、整理をしていく役割を担う。
ファシリテーターに求められる4つのスキルについてご紹介する。
1.場のデザインスキル
場のデザインは、テーマや議題を選定することから始まる。
誰をどんな目的で集め、どのようなやり方で進行していくのか、を考える。
何を話し合い、どこをゴールとするのかを明確にして、
メンバーには「何の目的のために集まるのか」を伝える。
目的に合わせた参加者の選定、適切な会場の準備も大切である。
2.対人関係のスキル
会議が始まれば、参加メンバーがそれぞれ自由に思いを語り、
次第に新しいアイデアが生み出されていくのが理想的。
この段階でファシリテーターは、
傾聴により、メンバーの意見を受け止め、
質問をすることで、積極的に意見を引き出す対人関係のスキルが必要になる。
3.構造化のスキル
構造化のスキルとは、出された意見をわかりやすく整理すること。
同じような意見はまとめることで、
何が議論されているのか、問題は何なのかをメンバーと共有する。
対立する意見は図に示したり、原因や結果などの関係性を整理することで、
メンバーの認識を一致させる効果がある。
4.合意形成のスキル
さまざまな意見が出る中で、どこかで意見をまとめなければならない。
まとめなければ、結論が出ないまま話がズルズルと長引いてしまう。
強引に結論付けてしまうと、反対意見のメンバーが不満を残す結果になる。
完全に全員が納得できる形で合意形成するのは難しいが、
少しでも意見の対立を解消し、意義のある合意形成をすることが大切である。
メンバーの意見を反映させた最適解へと導いていくスキルが求められる。
ファシリテーションに必要とされる4つのスキルを意識することで、
より質の高い議論ができるのはもちろん、会議効率を向上させることができる。