ビジネスの現場での最高の学習は現場での体験であり、
特に大切なのは、成功体験と失敗体験である。
成功体験を振り返ることで、
再現性を高めるために有効な4つのステップがある。
1.経緯を書き出す
その仕事に取り掛かったときから結果が出たときまで、
起きたことを時系列に書き出す。
くわしい日時などは不要で、主なできごとを起きた順番に並べる。
2.成功要因を洗い出す
書き出した経緯を見ながら、成功要因だと思うことを書き出す。
3.行動とヒモ付ける
成功要因を自分が起こした行動と関連づける。
4.言葉でまとめる
成功を再現させるために、
自分にとって大切だと思う「行動」は何かをまとめる。
自分自身の成功体験を、4ステップで振り返ることにより、
成功のための再現性のある行動を言葉にしていくのである。
部下を指導する場合にも、一方的に教えるのではなく、
仕事を振り返りながら、本人に成功要因を行動レベルで言語化することで、
再現力を高めることができる。
失敗体験も、成功体験と同様に貴重な体験である。
失敗体験から学ぶためには、成功体験における学習のステップ同様に、
体験を振り返って、改善に必要な行動を言葉にするステップが有効である。
1.経緯を書き出す
成功体験の振り返りと同じように、
その仕事に取り掛かったときから結果が出たときまで、
起きたことを時系列に書き出す。
詳しい日時などは不要で、主要なできごとが起きた順番に並んでいればよい。
2.失敗要因を洗い出す
書き出した経緯を見ながら、失敗要因だと思うことを箇条書きで書き出す。
3.行動とヒモ付ける
失敗要因を自分が起こした行動と関連づける。
失敗要因に外部環境や他人の行動がある場合でも、
その原因となった「自分の行動」がないかを考えることが大切である。
4.「もう一度やるとしたら」を言葉でまとめる
同じことをもう一度やるとしたら、
どのように行動すればうまくいくかを言葉でまとめる。
失敗から学ぶためには、「自分の改善行動」に結びつける必要がある。
成功体験の振り返りよりも、失敗体験の振り返りのほうが得るものは大きい。
しかし、成功体験の振り返りは気分がいいが、
失敗体験の振り返りは自分の至らなさに向き合うので、精神的にはきつい。
上司として、部下の振り返りをサポートする場合には、
決して部下の責任追及や能力の否定にならないように配慮し、
あくまでも「成長の機会」としてとらえるように伝えることが大切である。
成功や失敗の体験を自分でも正しく振り返り、
成功要因や改善要因を行動としての言葉にすることが能動学習である。
人から一方的に言われたことと比較すると、
より深い気づきと学びが得られ、応用力を発揮することができる。