チームや個人で振り返りをするとき、
「KPT(けぷと)」を使えば、効果的に振り返りができ、改善につなげることができる。
KPTは、システム開発の分野で使われていた振り返りのフレームワーク。
次の3つの要素に分けて、行動内容の分析を行う。
K:Keep…成果が出ているので継続すること
P:Problem…問題があり改善が必要なこと
T:Try…次に取り組むこと
KPTによる振り返りは、チームまたは個人で、Keep→Problem→Tryの順に、次のように今後のアクションを決めていく。
1.紙やホワイトボードの中心に縦線、左側に横線を入れて3つの領域に分ける
左上を「Keep」、左下を「Problem」、そして右のスペースを「Try」とする。
2.「Keep」の枠に「成果が出ていること・継続すること」を書き出す
参加者は、客観的な視点で分析することがポイント。
3.「Problem」の枠に「うまくいかなかったこと・問題点」を書き出す
責任を追及する場ではないので、悪かった「事柄」を挙げる。
4.「Try」の枠に「新たに実践すること・問題解決に取り込むこと」を書き出す
精神論ではなく、具体的にどういう行動をとるかを明確にする。
5.「Try」の枠に書き出したアクションの具体的な実施計画を決める
「Try」で挙げたアクションを実行した結果、再度KPTで振り返る。
効果的なKPT実施のためには、3つのポイントがある。
1.定期的に短いサイクルで実施する
KPTは、定期的にできるだけ短いサイクルで行なうのが効果的である。
1日や1週間の終わり、1つの仕事を終えたときやプロジェクト終了後、
など、区切りのいいタイミングで実践すれば、振り返りもしやすくなる。
一度のKPTですべての問題が解決することはなく、
さらに「Try」によって新たな課題が浮き彫りになることもあるため、
定期的にKPTを実施して改善のサイクルを回していくことが大切である。
2.進行役を配置する
中立な立場の進行役(ファシリテーター)を置いて、質問を投げかけたり、
参加者が意見を出しやすい場を整えるようにする。
参加人数が多い場合、意見が出にくくなってしまうことがある。
そんなときは、グループの単位を小さくして、5~6人程度で実施しよう。
3.意見をすべて書き出す
KPTは何度も繰り返し行なうものであり、
まず、すべての意見を書き出してみることに価値がある。
慎重になりすぎずに思い切って書いてみて、違うと感じたら修正していけばよい。
悲観的になることなく、客観的にチームや自分自身を分析することが大切です。
チームやメンバーを強くして効率的で生産性の高い仕事をしようとするなら、
ぜひ「振り返る」時間を大切にしよう。