集団の中にいると自己防衛意識が強まり、さまざまなバイアスを生む。
職場の人間関係や仕事に影響する無意識の心理は、次のように整理できる。
⦿確証バイアス (Confirmation bias)
自分に都合のいい情報だけに目が向く心理.
事実を自分の都合に合わせて解釈し、考えに合わないことは例外と決めつけてしまう。
一度こうだと決めたことが変えられないので、お互いに歩み寄れなくなる。
⦿ステレオタイプ (Stereotype)
人の属性や特性をもとに、先入観や固定観念で決めつけてしまう心理。
出身校や最終学歴、性別などで相手を見たり、
家事は女性がするものだと思ってしまう。
相手の属性で行動が左右されるので、相手を傷つけたり、判断を誤る。
⦿ハロー効果 (Halo effect)
相手の一部の長所によって、すべてがよく見える心理。
例えば、
高学歴ということで仕事も優秀だと思ってしまったり、
身なりがよいと仕事もデキる人だと感じてしまう。
一部の情報だけで相手の印象が大きく変わるので、
相手の成長機会を損なってしまったり、相手が自身を誇張してしまう。
⦿正常性バイアス (Normalcy bias)
環境変化や危機が迫っても「私は大文夫」と、都合のいいように思い込む心理。
私に限ってそんなことはない、うちの会社は大丈夫と根拠なく思ってしまう。
変化に対応できず、自ら変わろうとしないので、
危機感がなくなり、問題を先送りするようになる。
他責思考に陥り、自分ごとにならない。
他には…
権威バイアス:権威のある人の言うことは間違いないと思ってしまう。
集団同調バイアス:周りと同じように行動してしまう。
無意識の心理がもたらす問題は、「自分には偏見がない」と思うことから発生する。
自身の偏見に気づき、正しい知識を身に付けることが問題を解消する第一歩になる。