ディズニーランドのトイレの手洗い場には鏡が無い。
なぜトイレに鏡がないのだろうか?
理由は2つあるそうだ。
一つは、トイレの手洗い場に鏡を置いてしまうと、
立ち止まる人が増えてしまい、流れが悪くなり混雑に繋がってしまう。
二つ目は、現実の自分を思い出してしまうためである。
トイレは、一息つく場所。
用を足した後、手洗い場で手を洗うとき、目の前の鏡で自分の顔を見ると、
夢の世界から現実の自分に引き戻されてしまう。
明日の会議で発表しなければならない…
課長に頼まれていた資料がまだできていない…
日常に戻ってしまうのである。
テーマパークは別世界、現実を思い出させてはいけない。
ほっと一息ついて、ちょっと疲れた自分の表情を鏡で見てしまったら、
そろそろ帰ろうかな…
と考えてしまうこともあるだろう。
ゲストへの魔法が解けないように鏡を置かない、
というディズニーの配慮である。
クラブやバーでも、トイレに行って席に戻ってくると、
おしぼりを渡してくれる。
帰ろうかな、思っていても、
おしぼりをもらって一声かけてもらうと、つい、
「もう少しいいか」
と長居してしまうことがないだろうか。
消費単価は滞留に比例する。
お客様に長い時間楽しんでもらう工夫をすることで、
売上を伸ばすことができるのである。