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クリティカルシンキングの基本姿勢

クリティカル・シンキングは、

健全な批判的精神を持った客観的思考を土台にして、
ビジネス・パーソンが仕事を進めていくうえで役立つ論理思考や、
思考の効率を上げるための方法論、
そして正しく思考するための姿勢を組み合わせることにより、
物事を正しい方法で正しいレベルまで考えることを実現する思考法、

と定義されている。(グロービス・マネジメント・スクール)

クリティカル・シンキングには、次のようなメリットがある。

まず、正しい方法で正しいレベルまで考えることができるということ。

問題解決や意思決定の、効率や効果が高まる。
見落とされていた機会や脅威に気づく。
これまでできなかった斬新な発想が可能になる。

そして、効率的、効果的なコミュニケーションができること。

相手の言いたいことやその前提を的確に捉えることができる。
交渉やコミュニケーションを効果的に進めることができる。
会議、議論を効率的に進め、有効な答えを早く導き出すことができる。

クリティカル・シンキングの前提となる基本姿勢のポイントを紹介させていただく。

1.目的は何かを常に明らかにする

何かを考える際に、「何のために考えるのか」を常に考える。
これは、論点をしっかり押さえることでもある。

本来の目的を見失ってしまうと、
問題の一部だけにとらわれたり、
問題のあちこちを意味もなく検討したりする。

そうなってしまうと、正しい解決に至らなくなってしまう。

2.論点を踏まえて、フレームワークで考える

目的を見定めた上で、さらに考えるポイントを絞り込む。
どんな項目を考えれば、目的を果たすことができるのかを考える。

その際には、フレームワーク(枠組み)にのっとって、
しっかり押さえる必要がある。

フレームワークは、目的によって異なる。

3.自分や相手の思考のクセを意識しながら考える

人はだれでも、何かを考える際には、前提を置くものだ。
その前提とは、個人的価値観や過去の経験からの教訓などによるものである。

そのため、

いつまでたっても議論がかみ合わない・・・
リーダーの経験から、リーダーの希望する方向に結論が誘導される・・・
全体的な議論がなされず、狭い範囲で答えを求める・・・

というようなことが起こる。

自分の思考のクセを見抜くためには、
自分自身を第三者の目で客観的に眺めてみることが必要である。

「自分の判断に影響を与えている価値観や好き嫌い、思い込みはないか」
と、自らに問いかけるとよい。

自分の思考のクセを知ることで、自分の考えが最善であると思い込むことなく、
相手との対話により、最善の答えを求めていくようにしたい。

テクニックを身につけるだけでは、必ずしも結果を残せない。
テクニックは、基本姿勢のベースがあって初めて活きてくる。

ぜひこの3つの基本姿勢を、日頃から意識してほしい。
責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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