どのような会社でも、多くの課題を抱えている。
1つのアイデアで解決できるような課題は少なく、
さまざまな要素が複雑に絡み合って、解決を困難にしている場合が多い。
こうした複雑な課題に対して、システムシンキングは有効な手段である。
システムシンキングとは、
さまざまな出来事の本質を図に描き、課題を根本的に解決する、
ための思考法である。
私たちは、何か問題が起こった時に、
その問題の近くで、解決策を見つけようとする傾向にある。
例えば、次のような行動。
今年度の売上目標が未達になりそうだ…
お客様にお願いして、次年度分を前倒しで納品する…
このようなやり方は、
「解決策が問題を生み出す結果になってしまう」典型である。
システム・シンキングは、
このような近視眼的な考え方を避ける有効な思考法である。
それぞれの要素に、矢印で「こうすることによって、こうなる」という流れを与える。
すべての要素を最終的に「循環系」としてまとめる。
「売上を増やす」という課題に対しては、
「商品の差別化」→「市場シェアの獲得」→「売上の増加」
→「スケールメリットによるコストダウン」→「開発費の増強」
→「商品の差別化」
のように、各要素を図に表すことができる。
実際のビジネス上の課題はもっと複雑で、構成要素が多い。
各要素を循環系にまとめるためには、かなりの試行錯誤が必要となる。
でも、課題を見える化して本質を知るためには、とても効果的な思考法である。