プロセスとは、一般的には「過程」の意味である。
社会科学における「プロセス」には、もっと広い概念がある。
すなわち、人の仕事に対する関わり方の度合いのことである。
仕事をする人が、どんな状態でその仕事に関わっているか?
前向きに取り組んでいるのか…
嫌だけど仕方なくやっているのか…
その状態が、「プロセス」である。
活性化された職場集団は、プロセスが良い。
プロセスの良い集団はかなり高い確率で良いアウトプットを出す、
と、行動科学でいわれている。
プロセス次第で、仕事のできばえは大きく変わる。
だからこそ、マネジメントが必要となるのである。
問題のあるプロセスを見直して、改善するのがマネジメントである。
製品の品質が悪化…
納期に遅れる…
生産ラインでの故障頻発…
職場では、さまざまな問題が発生する。
こうした問題に対して「もっと注意しろ」というだけでは、 何も改善されない。
管理者は、まず個々のプロセスを観察し、
なぜ問題が起こっているのかを分析しなければならない。
そして、その結果に基づいてプロセスを変える必要がある。
例えば、研修で講師が話しているとき、
受講生が携帯で遊んでいたり、居眠りをしているなら、
すぐに休憩時間をとる…
グループで議論してもらう…
などの対策をして、場の状況を変える必要がある。
プロセスを工夫することで、
同じ講師が同じ話をしても、結果は大きく変わってくる。
人がいかにそれに関わっているか、
すなわち、プロセスを重視することで成果は大きく違ってくるのだ。
管理者は、問題が発生する職場において、
メンバーが仕事にどう関わっているか…
職場のいまの状況がどのようになっているか…
を判断する目利きが必要である。
マイナスのプロセスがあれば、 その要因を取り除き、
良いプロセスに変えていく。
その結果、組織が活性化されていく。
それが、「プロセスをマネジメントする」ということである。