多くの企業では、
管理職が、「プレーイング・マネジャー」であることが多い。
すなわち、自分の業績とともに、部下の育成もサポートしなければならない。
多くの管理職は、自分のチームや自部署の業績で評価が決まる。
自分の評価が最優先…
市場は厳しくなる一方、業績目標達成は毎月待ったなし…
部下を育成するよりも、自分が部下の分も数字をつくる方が確実だし早い…
部下育成は、時間があるときにやればよい…
と考え、部下育成は後回しとなってしまいがちである。
管理職の本音として、「部下育成よりも業績」となりがちである。
しかし、そもそも部下育成は、管理者一人に任せるものではない。
会社として、部下が育つ仕組みを備えることが必要である。
例えば、
部下と上司が、「キャリアプラン」をテーマに意見交換し、
部下の「成長目標」と「具体的に取り組むこと」を決めるような仕組みである。
いくら忙しい管理者でも、月に1回、数十分程度であれば、
部下と対話する時間が持てるはずだ。
しかし、それを管理者任せにしてしまうと、
個人差が出て、会話したり、しなかったり、という状況になる。
仕組みとして機能させるには、
会社として取り組むことを周知徹底させることが必要である。
部下育成のために、会社全体として取り組む、と経営者が宣言しなければならない。
最初は、忙しいし、めんどくさい、形だけでもやっておこう、
となるかもしれない。
しかし、定期的に継続し、
上司と部下が共通の「成長目標」を持つことで、
会話の軸もはっきりし、コミュニケーションが取りやすくなるはずだ。
部下は、上司の期待に応えようとがんばる。
そうすれば、成長するための課題について、積極的な相談が増える。
上司も部下から頼られたり、相談されたりする中で、
指導することや、自分の経験談から教えていくことにやりがいを感じる。
繰り返していくことで、上司と部下との信頼関係も強くなっていくはずだ。
会社として仕組みをつくり、経営者が宣言すること。
仕組みの運営を継続していくことが、育成者の自覚を育てる。
このような工夫が大切である。