孫子「謀攻篇」には、
勝敗の予想を知ることができる組織の五つの条件が示されている。
１．戦ってよい場合と戦ってはいけない場合とを分別できる者は勝つ。
２．兵力の大小に応じた用兵に精通している者は勝つ。
３．上下の意思統一に成功している者は勝つ。
４．準備万端で、準備不十分でやってくる敵を待ち受ける者は勝つ。
５．将軍が有能で、君主が余計な干渉をしない者は勝つ。
これら五つの条件こそ、勝利を予知するための方法である。
軍事においては、
敵軍の実情も知って、自軍の実情も知っていれば、
百回戦ってもまず負けることはない。
敵軍の実情を知らずに、自軍の実情だけを知っていれば、
勝ったり負けたりする。
敵軍の実状も知らず、自軍の実状も知らなければ、
まず勝つことは難しい。
ビジネスの現場に置き換えて、考えてみよう。
１．いま戦うべきなのか、まだ戦うべきではないのか、
状況を冷静に見極めることができているか。
２．大きい組織は大きいなりに、小さい組織なら小さいなりに、
競合他社に合わせて、自社の組織運営が的確にできているか。
３．組織の上の者も下の者も、目標、利害を一つにしてまとまっているか、
目的に対するベクトルが一致しているか。
４．自社は、十分準備をができていて隙がなく、
競合他社は、油断をしている状態になっているか。
５．現場の長が優秀で、
細かい指示をしなくても、よい信頼ができているか。
「彼を知り己を知れば、百戦して危うからず」
相手の備えている実力、条件、現状をよく知って、
これと自分と比較検討した上で、勝てると決断した戦いなら、
まず負けることはない。
その逆ならまず勝つことは無理。
とくに、「己を知る」ことが非常に大切である。
