「おもてなし」と「サービス」には、どのような違いがあるだろうか。
おもてなしは、
おもてなしを受けるお客様に、心から喜んでもらうことで、
お互いが幸せになることである。
もてなす側は、純粋な心でお客様を迎え入れるためにできることを考え、
最高の時間を共有するために、最善を尽くす。
もてなす側とおもてなしを受けるお客様の間には、
お互いを大切に想う心があり、上下関係のない同等の立場である。
一方、サービスとは、
支払われる対価の対象となる商品や労務を提供することであり、
それぞれの欲求を満たすことである。
対価が発生し、あらかじめ定めている商品や労務の引き渡しなど、
明確な対象範囲がある。
また、サービスへの対価を支払うお客様が上の立場で、サービスを提供する側が下、
といったような主従関係がある。
銀座のある高級寿司屋のすし職人は、
来店したお客様が、どちらの腕に時計をしているかを見て、
その人が右利きなのか、それとも左利きなのかを見極めるという。
そして、お寿司を出す位置を、利き手で取りやすいようにするそうだ。
お客様は、気づかないが、何となく食べやすいと感じる。
これも、おもてなしである。
おもてなしは、相手の立場にたって、最善を尽くすこと。
「コト」が起こる場面を、具体的にイメージすることが大切だ。
サービス業だけでなく、製品を作っているメーカーにとっても同じ。
人と人とが関わるコミュニケーションの全ての場面で、
「おもてなし」の心を、お客様に提供できるように行動していきたい。