その違いは何だろうか。
目標とは、
目指すべき方向や状態であり、定性的・定量的に表されるもの。
目的は、
そこに、意味や意義が付加されたものである。
すなわち、目的=目標+意味となる。
例えば、プロ野球選手は、次のように抱負を語る。
「20勝をあげてシーズンMVPを狙いたい」
「今年は、打率3割を打ちたい」
「イチロー選手の記録を目指してがんばりたい」
これらはすべて目標である。
目的というのは、
「野球とともに自分の人生を歩む」
「自分の実力を証明する」
「観てくれているファンに感動をあたえる」
といった目標を包み込む意味や意義のようなものになる。
また、目標は目的に向かう手段や過程でもある。
「3人のレンガ積み職人」という話がある。
中世のある町はずれの道端で、3人の男がレンガを積んでいた。
そこを通りかかった旅人が、男たちにたずねた。
「ここでいったい何をしているのですか」
一人目の男は、つらそうに、こう答えた。
「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるに決まっているだろ」
二人目の男は、手を休めることなく、淡々と話した。
「俺はここで、壁をつくっているんだ。食うためには働かなきゃ仕方ないからね」
三人目の男は、顔を上げて、生き生きと楽しそうに答えた。
「俺たちは、歴史に残る町の大聖堂をつくっているんだよ」
このとき、3人の男たちにとって、「目標」は共通である。
1日に何個のレンガを積む…
期限までに自分の担当分を仕上げる…
しかし、「目的」は、3人ともばらばらである。
一人目の男は、目的を持っていない。
単にレンガを積むという作業をやっているだけ。
二人目の男は、生活費を稼ぐのが目的である。
三人目の男は、歴史の一部に自分がかかわり、
世の役に立つことが目的となっている。
目標は他人から与えられることもあるが、
目的は、他人から与えられるものではない。
目的が明確で、目的を果たすためにどのような貢献ができるのかを自ら考える。
それが、より良い仕事をするために、積極的に仕事に関わる姿勢を生む。