自分が伝えたいことは、相手にしっかり伝わるように話したい。
プレゼンテーションで、伝えるための基本となる姿勢を3つご紹介する。
1.事実をシンプルに伝える
職場でのコミュニケーションについて、
何らかの改善が必要であることを、伝えたい場合、
次のようなメッセージが考えられる。
(1)職場でのコミュニケーションが悪化しており、
社員のモチベーション低下の原因となっています…
(2)この1年で若手3名が退職、
その理由は「上司とうまく会話ができない」ということです…
聴き手に、
「それは問題だ」
「何とかしなければ」
という気持ちを起こさせるのは、恐らく後者のメッセージのはず。
これらのメッセージの違いは何だろうか。
前者は、抽象的な考えを述べている。
しかし、後者は、具体的な事実を使って語っている。
自分の主張に説得力を持たせるには、
抽象的なことよりも、事実をはっきり述べる方が説得力は強い。
自分より知識や経験が豊富な人を説得する…
まだ付き合いが浅く、関係づくりができていないお客を説得する…
自分の考えに自信を持っていて、なかなか自説を曲げない上司を説得する…
こうした説得が難しい場面では、
聞こえの良い抽象的な言葉をたくさん並べるより、
「事実」をシンプルに、明確に伝える方が説得力がある。
2.徹底的に準備して話し方に集中する
本番に向けた徹底した準備が重要である。
言うべきことを絞り込み、
大事なことだけを自信を持って伝えられるよう、
頭の中をクリアにしておく。
補足説明が不要な一目でわかる資料をつくり、
大事なメッセージは資料にしっかりと書いておこう。
そして、時間に余裕を持っておく。
こうした準備をすれば、プレゼンの現場で考えることが減り、
焦ることがなくなる。
徹底した準備こそが、プレゼンで「あがらない」秘けつである。
しっかり準備をした上で、どのように話すかが大切である。
話し方ひとつで、聴き手の受け取る印象や話の説得力は大きく変わる。
まっすぐ立ち、大きな声で話す…
ジェスチャを交えて強調する…
聴き手の目を見て、笑顔で話す…
こうした基本を押さえ、しっかり練習をしよう。
3.熱意を伝える
「うまく話す」ことだけに、こだわる必要はない。
「感動を覚えたスピーチ」とは、必ずしも、「上手なプレゼン」というわけではない。
話し手ならではの個性が感じられ、
何かを伝えたい、わかってほしいという思いが、
ダイレクトに伝わってくるのが「響くプレゼン」である。
うまくしゃべろうと考えるのではなく、熱意をこめて話す。
事実をシンプルに伝え、しっかり準備して話し方に集中する。
そして、自分が伝えたい思いをこめて話すことが、
聴き手に響くプレゼンを生む。