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上司への報告は自信満々に語る

上司に対して報告するとき、本題を切り出す前に、

「まだしっかりまとまっていないのですが…」
「時間が無くて、準備不足なのですが…」

などと、自信のないことを言ってしまうことはないだろうか。

すると、上司の反応は、

「もっとしっかり考えてから持ってきなさい…」

と、厳しいものになりやすい。

それに対して、最初に、

「予定通り順調に進んでいます…」
「かなり課題を整理できました…」

と前置きして本題部分を話すと、
上司は、おおむねポジティブな反応になる。

「じゃあ、この部分をもう少し検討してみよう…」

などの協力的な姿勢になることが多い。

なぜ、「自信があるように振る舞う」ことが有効なのだろうか。

最初に切り出す「前置きの言葉」を聞いた段階で、
相手は、先入観を持つ。

心理学では、「プライミング効果」と呼ぶ。

プライミング効果とは、
先行する刺激が、後続する刺激に対する相手の反応に影響を与えること。

「効くと聞かされて薬を飲んだ」場合と、「薬と知らないで飲んだ」場合、
効くと聞かされた方が薬の効果が高い、
という実験で証明されている。

ビジネスシーンでも、同様である。

最初に、自信があることを相手に示すことができれば、
相手からもポジティブな反応が返ってくることが多い。

最初に言い訳からはいると、自ら逆風をつくり出してしまう。

自信満々に語ることで自分のペースをつくろう。

相手がこちらに期待していることを的確に把握し、
前置きはポジティブにして、自分への追い風をつくることが大切である。

責任者プロフィール
竹村孝宏

中小企業診断士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。大阪市立大学商学部卒業、豪州ボンド大学大学院経営学修士課程(MBA)修了。
㈱デンソーで企画、営業、人事、中国上海駐在を経験、「低コストプロジェクト」で社長賞を受賞するなど活躍した後、独立。現場での多くの経験をベースにした実践的コミュニケーション、モチベーションアップを軸としたプログラムを提供している。日経クロステックに連載中。著書は、「仕事が速い人は何をしているのか?ビジネスフレームワーク活用法」(セルバ出版)
「30代リーダーのための聞く技術・伝える技術」(中経出版)等、多数。

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