上司に対して報告するとき、本題を切り出す前に、
「まだしっかりまとまっていないのですが…」
「時間が無くて、準備不足なのですが…」
などと、自信のないことを言ってしまうことはないだろうか。
すると、上司の反応は、
「もっとしっかり考えてから持ってきなさい…」
と、厳しいものになりやすい。
それに対して、最初に、
「予定通り順調に進んでいます…」
「かなり課題を整理できました…」
と前置きして本題部分を話すと、
上司は、おおむねポジティブな反応になる。
「じゃあ、この部分をもう少し検討してみよう…」
などの協力的な姿勢になることが多い。
なぜ、「自信があるように振る舞う」ことが有効なのだろうか。
最初に切り出す「前置きの言葉」を聞いた段階で、
相手は、先入観を持つ。
心理学では、「プライミング効果」と呼ぶ。
プライミング効果とは、
先行する刺激が、後続する刺激に対する相手の反応に影響を与えること。
「効くと聞かされて薬を飲んだ」場合と、「薬と知らないで飲んだ」場合、
効くと聞かされた方が薬の効果が高い、
という実験で証明されている。
ビジネスシーンでも、同様である。
最初に、自信があることを相手に示すことができれば、
相手からもポジティブな反応が返ってくることが多い。
最初に言い訳からはいると、自ら逆風をつくり出してしまう。
自信満々に語ることで自分のペースをつくろう。
相手がこちらに期待していることを的確に把握し、
前置きはポジティブにして、自分への追い風をつくることが大切である。