交渉には必ず相手がいる。
交渉で、少しでも相手より自分が有利になれる、
代表的な揺さぶりのテクニックを2つご紹介する。
1.ドア・イン・ザ・フェイス
人は、借りができると、そのままでは後ろめたい気持ちが残る。
何かお返しをしなくてはならないと考える「返報性の心理」がある。
ドア・イン・ザ・フェイスは、この心理を交渉に応用したものである。
最初に、とても聞き入れられそうもない大きな要求を出して、
相手に拒絶させる。
その後、提示する条件を緩めながら交渉を続ける。
最終的にこちらの要望を飲んでもらう。
例えば、価格交渉であれば、
こちらからまず大きく値引き要求をした上で、
その後、少しづつ値引き額を抑えて交渉を続ける。
相手は、最初に大きな値引きを断ったことによる後ろめたさが残り、
その後、合意に至る確率が高くなるのである。
2.フット・イン・ザ・ドア
この言葉は、
セールスマンがドアに足を入れることができれば勝ち、
ということから来ている。
メインの要求を通すために、まず簡単な要求からスタートする。
そして、段階的に要求レベルを上げていく。
本当に飲んでもらいたい要求の前に、
誰もが承諾できるような要求をだす。
例えば、
相手に、募金をお願いするとき、
1口1,000円だと説明して、承諾を得る。
そのあと、募金の条件が最低5口からであると伝える。
人は、一度募金することに合意したあとで、
自分が想定した条件が違っていたという理由では断りにくい。、
自分の決断を否定することになるので、断りにくくなってしまうのである。
人は、本能的に一貫性のある行動を取りたいと考える。
それを利用した戦術である。