最近の若手社員は、
積極性や主体性が足りず「指示待ち」だと言われる。
でも、指示されたことはきちんとやる。
メンバーの積極性や主体性を発揮させるための仕掛けをするのは、
上司の役割である。
その仕掛けの1つに、
メンバーに合わせた「裁量の範囲」を示すことがある。
たとえば、顧客からのクレームに対して報告書を作成する場合、
「原因をよく調べて、対策書をまとめるように」
「原因は、多分〇〇〇だろうから、そこを中心に情報を集めて、
分析してほしい」
と、上司がメンバーに具体的に指示する。
そのうえで、1つ課題を出す。
「原因をお客様にわかりやすく説明するためには、
どの情報をどのような図表にするのか、よく考えてくれ」
この指示を受けたメンバーの立場では、まず仕事の道筋が見える。
その上で、自分で「考える」という裁量を与えられ、
最後まで、自分の手で仕事を完成させることになる。
「自分で考える」部分にエネルギーを投入することができるので、
ムダな時間をかけずに、業務を進めることができる。
でも、メンバーが結論を出すのに時間がかかったり、
いつまでたっても、考え始めない場合もある。
それを防ぐためには、「軽い中間報告」を実施するのがよい。
たとえば、今週中に仕上げてほしい業務については、最初に、
「木曜日の朝、軽く中間報告をしてほしい」
と指示しておく。
最初の指示で、軽い中間報告についても話しておく。
そうすれば、メンバーも早めに着手せざるを得ない。
ポイントは、
「中間報告はあくまで軽くでいい」ということを伝えること。
時間は短く、報告の仕方も報告に対する返事も軽くすることである。
そうすれば、メンバーも、報告することを負担に感じることがなくなる。
職場では、上司や部下といった立場の違いで、
意識のすれ違いが生まれやすい。
メンバーの主体性をうまく引き出す仕掛けを考えよう。