「場の理論」の創設者として知られる心理学者のクルト・レヴィンは、
変革ためには、「解凍」「変化」「冷凍」の3つのプロセスが必要だ、
と説いている。
「解凍」とは、その変化が不可欠であることを認識して、
従来の信念や実践を取りのぞいて、変化のための準備を整えるプロセスである。
「変化」とは、変化が生じるプロセスであり、
これまでのものの見方やシステムが不要になることで、混乱や苦しみが伴う。
「冷凍」は、新たなものの見方が再凍結するプロセス。
新しい枠組みのなかでの快適さと恒常性が、再びあらわれる。
組織において、現状が「均衡状態」になっている場合に、
変革に対しての抵抗が起こりやすい。
この均衡状態を打ち破るために必要なのが、「解凍」である。
GEのジャック・ウェルチ氏は、
「壁のない組織づくり」を目標に掲げて経営をおこなった。
すなわち、
「地位や部署にかかわりなく、アイデアを自由にやり取りできる開かれた空間を作る」
ということである。
このような「解凍」を行うことで、新しい変革を導入することが可能となる。
しかし、変革の導入だけで止めてしまうと変革自体が短期に終わり、
以前の均衡状態に逆戻りしてしまう。
そのため、導入された変革を長期間維持するため、
再度「冷凍」することが必要となる。
GEでは、
4つの価値とそれを実現するための8つの行動規範を「GEバリュー」と呼び、
GEバリューの実現に向けて、たゆまぬ努力を継続している。
この「解凍」「変化」「冷却」の3つのプロセスこそが、
組織変革には、欠かせないプロセスなのである。